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2013年04月25日

よしもとばななの本

よしもとばななの本を読みました。icon14

よしもとばなな…超有名…ですよねicon10

吉本隆明の娘です。それだけでなにかドキドキ…いや、なんかほお~っとしますね。

彼女については、当然「キッチン」から入ったのですが、、、

ほかの人はどう思っているのかわかりませんが、私のなかでは、かなり作風は初期から変わりましたね。
ずばり言えば、「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」あたりから、なんか、違う方向へ行ったように思います。

それがいいのか悪いのかは、読者次第ですが。「キッチン」を求める人にとっては、たぶん違ってしまったんだろーなーと…

でも、私のなかでは、いつでも、いまでも、目標とする作家です。
彼女の最近の作品は、特にチェックはしていませんが、見かけるたびに読むようにしています。いや、読みたいので、手に取りますicon12

彼女のすごいところは、人間が生きていく中で、誰もが思ったり、感じているけれどもはっきりと言葉にしていないもやもやとした、ぼんやりとしている空気や、言ってしまえば希望…や光、悲しみなどといったものを、「言葉にしようと力を尽くしている」ことだと思っています。

この1点に対し、これほど見えないものを言葉で表現しようと死ぬほどの努力を、エネルギーを費やしている作家を知りません。本を読むたび、感嘆し、感心し、その努力に胸がきゅっとなります。

でも・・・・要は、なんというか、小説としてのストーリーよりも、そうした「もやもやとしたものを言葉にする」ことに重点を置かれているというか。それが私は大好きで、それを脳が求める時期があるので、今もよく読んでいるのですが、果たしてほかの読者はどう思って彼女の小説を読んでいるのか?ということをいつもぼんやり疑問に思っています。

今回読んだ、「スウィート・ヒアアフター」も、期待を裏切らず、生と死、生きることと死ぬことの連続性?同一性?について腐心していました。

事故によって大好きな恋人を亡くし、自分は死ぬほどの重傷を負ったが生きて、死というものを知りながら生きていくこと。
彼との時間がもう2度と手に入らないことへの涙に心臓が痛くなりました。
マブリ(魂)を落とした結果、いろんなことを装うことをやめて生きる主人公の姿に、はっとしました。

よしもとばななの小説では、「一生懸命に生きる」というよりも、「死ぬときは死ぬのだから、いま、生きているこの瞬間を大切な人たち、大切なものとで心地よい空間をつくろう」という感じがしますface01

そこが、一番好きです。大切なのは、生きること、それ自体ではない、ということなのだと思います。




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